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2008年1月 8日 (火)

『熱球』 重松清

年始、読み終わった『熱球』。 今回は結構時間がかかったな。

今回は多少ネタバレ気味なので、読んでみようかな?と思われてる方は注意してね。

Nekkyu

 

本作は主人公「ヨージ」の一時的な帰郷を背景に、母の死、年老いた父の今後、

娘へのいじめ、リストラ、中年世代に踏み込んだ自分を見つめなおす日々が書き

綴られています。

元高校球児の「ヨージ」らしく、野球との関わりが盛り込まれながら話しは展開します。

 

作中に重松作品らしいキーワードが2つ込められています。

1つは「負けてもいい。高校野球でも最後まで勝ち抜くのは甲子園での優勝校だけ。」

もう1つは「逃げてもいい。逃げたからこそ帰ってくることができるんだから。」

このキーワードは要約してるんで、文中ではもっと自然に表現されています。

でも、今回は正直言って少々引っかかります。 この後はあくまでも私見で、気分を

害する表記があるかもしれません。 

どうしても、ご覧になりたい方は、Ctrl+Aを押してみてね。

 

まず、重松作品に良く出てくる「負けてもいい。」というキーワードだけど、今回は特に

違和感を感じた。 そもそも「負け」るまでのアプローチ、「負け」た後の反省と努力、

それがないと「負け」なんて何の意味もないと思うんは僕だけかな?

特に今回は、嫁も子もある長男の「ヨージ」が、里帰りした後、特に職に就く訳でも

なく、留学で働く妻を包み込むこともなく、最終的に父の面倒を看る訳でもない。

田舎暮らしでは車が必要と中古のゴルフを買い、旧友を田舎者扱いする一面も。

日々をガムシャラに生きてる人からは、「のんき」を通り越して「あほ」にしか見えん。

そんな主人公が「負けてもいい」、「逃げてもいい」って口にしても、正直胸に響かんわ。

途中で何度読むのを止めようかって思ったか...これが長くかかった理由です。

今、『熱球』と一緒に買った重松作品を読んでいるんだけど、今回読んでる本が

つまらんかったら、暫く他の作家に鞍替えじゃな。

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