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2008年7月24日 (木)

『閉鎖病棟』 帚木蓬生

今日は、お友達から紹介されて読んでみた、帚木蓬生氏の『閉鎖病棟』のご紹介。

Heisabyoutou

 

この小説は、3つの短いお話しが展開される形でスタートします。 そのお話しは

この後の登場人物たちに関するエピソードなんですが、しっかりとインパクトのある

伏線になっていて、それぞれの人物が初めて登場する時に、その人物の背景に

どんな事があったのかを、読み手が理解しているという技巧が使われています。

 

「精神薄弱者」の側からの視点で物語を展開する事で、その健常者と変わらぬ

心の動き、世間や家族の理解の乏しさを切々と綴っています。 ある意味、

本当の意味での弱者たちの世界を記述する事で、人間の弱さ、強さ、やさしさを

うまく表現しているように思いました。

 

小説の中で展開される内容は、まさに僕たち身の周りの社会の縮図です。

人との関わりの大切さ、勇気や希望、そんなありふれた言葉を、あらためて

考えさせられる作品に仕上がっています。

 

「人間とは?」を考えさせられる1冊です。 興味のある方は是非どうぞ♪

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