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2008年7月29日 (火)

『生首に聞いてみろ』 法月綸太郎

今日ご紹介する小説は、法月綸太郎氏の『生首に聞いてみろ』。

暫く前から書店で目にしてたんだけど、あまりぞっとしない表題に敬遠してました。

Hyoushi

 

しかし、先日読んだ、有栖川有栖氏の『スイス時計の謎』のあとがきで、『生首に

聞いてみろ』が出るんだったら、「首なし死体」の話しなんて書くんじゃなかった、

という下りが書かれてました。 同業者にそう言わしめる本ってどんなんじゃろ?

と、手にとってみました。 ちなみに、この本、「このミス」 2005年版で一等賞を

取った作品でもあります。 これだけ揃ってると、期待は自ずと膨らみますね。

 

読了後の感想ですが、とっても細かい描写と、張り巡らされた伏線が印象的です。

正直、その描写の細かさで、ここまで分厚い本になったんじゃないん?って気も

します。 ご本人もあとがきで、「まあ、これは別になくてもいいよな」って、記述が

あったって書いてましたんで、まんざら言い過ぎでもないんでしょうね。(笑)

 

肝心のストーリーですが、プロットがよく練りこまれています。 張り巡らされた

伏線は見事です。 でも、優れた技巧とは裏腹に、お話しとしての盛り上がりや

面白さに少々物足りなさを感じました。 結構、読了に時間がかかっちゃったんも、

そのせいかもしれません。 期待が大きすぎたんでしょうね。

 

著者の緻密さが伝わる一冊です。 気になる方は、是非読んでみて下さいね!

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