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2008年11月24日 (月)

『99%の誘拐』 岡嶋二人

今日は、岡嶋二人の『99%の誘拐』をご紹介。 「岡嶋二人」というのはペンネームで、

井上泉氏と徳山諄一氏のコンビ名です。 もう20年近く前にコンビは解消しちゃった

そうで、この著は、代表作だと言う事で、手にとってみました。

 

99_2 

 

末期ガンの技術者が病床で、8年前に起こった息子の誘拐事件の手記を

書き綴るところから物語りは始まります。 そこには、誘拐事件の内容が克明に

記され、その誘拐事件によって、自身の半導体メーカを、大企業に吸収されて

しまう無念さ、誘拐された息子への愛情が切々と刻み込まれています。

 

それから12年後、新たな誘拐事件が発生します。 誘拐されたのは、20年前

小さな半導体メーカを吸収し、巨大メーカに成長したリカードの社長の孫。

そして、犯人から要求された身代金は10億円分のダイヤモンド。 犯人は、その

運搬役に20年前に誘拐された経験を持つ、主人公の生駒慎吾を指名します。

 

って展開なのですが、圧巻なのはハイテクを駆使しまくった後述の誘拐劇です。

今ではレガシーテクノロジーの感のある、ラップトップパソコンや、モデム、FDなどが

登場しますが、システムとしては秀逸かつ奇跡的。(ちょっと嫌味混じりです。笑)

それより、20年も前に、こんな発想ができた作者の先見の明に感服しきりです。

 

井上泉氏は、「井上夢人」と改名し、今でも執筆活動をされているようなので、

今度は近著を読んでみようかな? 興味のある方は読んでみてね!

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