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2008年11月 1日 (土)

『顔に降りかかる雨』 桐野夏生

桐野夏生氏の世界を遡り、ルーツでもある『顔に降りかかる雨』を読んでみました。

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主人公の女性「村野ミロ」が活躍する、いわゆる「ミロシリーズ」の第一作です。

ミロの友人の耀子が、不倫相手の成瀬から預かった1億円と共に失踪するところ

からお話しは始まります。 失踪前夜にミロに電話をしていた発信履歴から、

ミロに容疑がかかります。 その1億円は元々綺麗なお金ではなく、その筋の

ものだった事から、ミロと成瀬の二人で、失踪した耀子を探す事になります。

 

まあ、紆余曲折がありながら、ミスリードの犯人が死ぬ事で、一度物語りは終焉を

迎えますが、最後にどんでん返しが...と、ある意味、よくあるミステリーですね。

その真犯人は、小説の節々で怪しく、「明らかに、この人が犯人でしょ」と思ってたら

やっぱりそうでした。(笑) 犯罪に加担した人物が、小説内にほとんど出てこない

けど、実はキーパーソンだったというのも、よくあるけど、少々反則気味じゃな。

 

物語の中で感じるのは、ミロや耀子の強さです。 とてもじゃないけど、男性から

見て、「守ってあげたい」って、微塵も思えません。 心の動きも、理解に苦しむ

ところも少なからずあります。 そういえば、『OUT』の雅子も、『柔らかな頬』の

カスミも、力強く、よ~分からん心の動きをしてました。 桐野夏生氏自身が

そういった女性なのか、それとも、そういう女性を理想としているんでしょうかね?

 

フィクションとして、また読み物として、そしてミステリー小説として、桐野作品は

僕との相性はいいみたいです。 他の話題作も読んでみよっかな?

桐野夏生氏の記念すべきデビュー作。 気になる方は、是非どうぞ!

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