『重力ピエロ』 伊坂幸太郎
今日は伊坂幸太郎著、『重力ピエロ』のご紹介。 伊坂氏の作品を読むんは、
「ラッシュライフ」、「グラスホッパー」に引き続き、3冊目になります。 書店で、
「重力ピエロ ついに映画化!」って文字が飛び込んできて、つい手にしました。
兄の泉水と、弟の春はホントに仲のいい兄弟。 だけど、父親が異なります。
ここまでは、よくある話しだけど、春の父親が強姦魔というのが普通じゃありません。
若い頃、強姦された母親は、春を身篭り、父親と春を産む事を選びます。
「そんなん、ありえん!」って思うんだけど、広い世の中にはあるんじゃろうか?
兄弟は、すくすく成長し、泉水は遺伝子検査会社の社員へ、春は清掃会社の
経営者として、立派な社会人になります。 そんな日常で発生した連続放火事件。
こともあろうか、弟の春は、その連続放火事件に関連性がある事を発見し、
兄の会社が放火される事を予言し、それが的中します。
こんな感じで始まる物語りは、「放火」、「家族」、「グラフィティアート(町の落書き)」、
「遺伝子」、「ガン」などのキーワードを織り交ぜながら進んでいきます。
そのキーワードと、春の怪しげな行動が、あるところで1本の線にまとまります。
「う~ん、なるほど、そういう事か!」と、ミステリーによくある謎解きもできる本です。
核心の数ページ前に、真相に気がついて、よかった、よかった。(笑)
兄弟の会話が、あまりにアカデミックすぎたり、登場人物の考え方に賛同しかねる
事があったりと、現実とかけ離れてるんも否めないけど、フィクションとして読めば
コレはコレでありじゃな。 プロットはしっかりしてるし、読み物としては面白いです。
最初の1行と、最後の1行が、全く同じなんてのも、とっても素敵な演出です。
冒頭でも書きましたが、映画化されるそうですよ。 気になる方は、是非どうぞ!
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コメント
びっとさんこんにちわ。
来月信州ひきこもりひとり旅をするので
暇つぶしの本を物色していたところ、
またまた興味深い作品をご紹介いただき
是非是非読んでみたく思っております。
自分じゃなかなか探すのも大変なのよね。
昨日も駅の書店を久々にうろうろしたけども
ポップ読むのも疲れる有様。。。
また楽しげなものを教えてくださいませ~♪
(何気にこのコーナー?楽しみにしてる自分)
投稿: rei | 2008年11月17日 (月) 08時56分
>reiさん
いらっしゃいませ♪
小説カテゴリーは、ただの「活字中毒」の副産物なんですが、
「楽しみにしてる」なんて言われちゃうと、とても嬉しいです。
これからも面白い本があったらUPしますね。
というか、基本的に日記ですんで、面白くなかった本もUPする
可能性大です。(笑)
そりゃそうと、「ひとり旅」、とっても羨ましいです。
僕も「ど~こ~か~、とおくを~旅してみ~た~い~♪」(古)
って言いながら、いざ一人になると、何をやっていいか分かんなく
なるんでしょうけどね。(笑)
投稿: びっとさん | 2008年11月17日 (月) 12時32分
>そりゃそうと、「ひとり旅」、とっても羨ましいです。
いやいや、「ひきこもり」がつくひとり旅なので、
どこに行くわけでもなく。。。
パン屋とケーキ屋とたい焼き屋くらいしか
行く予定はないのですよ~
とりあえずの目標は、名古屋駅で天むすゲット(爆)。
投稿: rei | 2008年11月18日 (火) 08時13分
>reiさん
いらっしゃいませ♪
いやいや、「ひきこもり」だろうが何だろうが、やっぱり
「ひとり旅」って憧れちゃいます。
嫁さんに「アンタ、しょっちゅう独りで出張に行ってるが」
って言われたんだけど、似て非なるモンだと思います。
是非、いいご旅行になりますように!
名古屋での天むすに、きしめんをプラスするのはどうでしょう?
投稿: びっとさん | 2008年11月18日 (火) 13時24分