『13階段』 高野和明
今日は高野和明氏の『13階段』をご紹介。 手持ちの本を切らしてて、時間がない中、
飛び込んだ書店で無意識のうちに手にしてました。 って、万引きじゃないよ。(笑)
題名から分かるように「死刑」というのが大きなキーワードになっています。
主人公の一人「三上純一」は、2年前に過失致死の罪で服役した後、仮釈放の
身になります。 両親の元に戻った純一を待っていたのは、自分の犯した罪の
ために苦しみもがく家族の姿でした。 そこへ、純一の服役していた刑務所の
刑務官「南郷」が突然尋ねてきます。 その刑務官の言葉とは、「今、服役中の
冤罪の可能性のある死刑囚を救いたい。 もちろん報酬は...」という内容だった。
ってな感じで始まります。 元刑務官と仮釈放中の二人が、素人ながら冤罪の
証拠を調査していきます。 その間、刑務官の苦悩、一度罪を犯してしまった
者の持つ苦悩が切々と語られています。 でも、さすがにミステリー、そこかしこに
たっぷり伏線が張られています。
8割方、読み終えたところで、「何となく、こっちの方にミスリードしてるな~」と
思ってると、ページをめくったところに驚きの一文が出てきます! お~、こりゃ
とってもミステリー!って嬉しくなるノリなんだけど、まだ2割も余ってるし...と
思いながらも読み進めると、そこからの疾走感は、特筆モノでした!!!
主人公の二人が別々のシチュエーションで、それぞれ驚くような展開を見せます。
もう、早く先を読みたくて、うずうずしながら一気に読了しました。 結末は少々
物悲しい形に収まっちゃったけど、これも仕方ないんかもしれんですね。
死刑制度のあり方だけでなく、罪を背負って生きていくこと、罪とは?正義とは?、
そもそも生きるってことの意味は、と色んなテーマが盛り込まれています。
そして、ミステリーとしても珠玉の一冊です。 興味のある方は是非どうぞ♪
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