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2008年12月21日 (日)

『13階段』 高野和明

今日は高野和明氏の『13階段』をご紹介。 手持ちの本を切らしてて、時間がない中、

飛び込んだ書店で無意識のうちに手にしてました。 って、万引きじゃないよ。(笑)

13stairs_2 

 

題名から分かるように「死刑」というのが大きなキーワードになっています。

主人公の一人「三上純一」は、2年前に過失致死の罪で服役した後、仮釈放の

身になります。 両親の元に戻った純一を待っていたのは、自分の犯した罪の

ために苦しみもがく家族の姿でした。 そこへ、純一の服役していた刑務所の

刑務官「南郷」が突然尋ねてきます。 その刑務官の言葉とは、「今、服役中の

冤罪の可能性のある死刑囚を救いたい。 もちろん報酬は...」という内容だった。

 

ってな感じで始まります。 元刑務官と仮釈放中の二人が、素人ながら冤罪の

証拠を調査していきます。 その間、刑務官の苦悩、一度罪を犯してしまった

者の持つ苦悩が切々と語られています。 でも、さすがにミステリー、そこかしこに

たっぷり伏線が張られています。

 

8割方、読み終えたところで、「何となく、こっちの方にミスリードしてるな~」と

思ってると、ページをめくったところに驚きの一文が出てきます! お~、こりゃ

とってもミステリー!って嬉しくなるノリなんだけど、まだ2割も余ってるし...と

思いながらも読み進めると、そこからの疾走感は、特筆モノでした!!!

 

主人公の二人が別々のシチュエーションで、それぞれ驚くような展開を見せます。

もう、早く先を読みたくて、うずうずしながら一気に読了しました。 結末は少々

物悲しい形に収まっちゃったけど、これも仕方ないんかもしれんですね。

 

死刑制度のあり方だけでなく、罪を背負って生きていくこと、罪とは?正義とは?、

そもそも生きるってことの意味は、と色んなテーマが盛り込まれています。

そして、ミステリーとしても珠玉の一冊です。 興味のある方は是非どうぞ♪

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