『さらわれたい女』 歌野昌午
今日は久々に小説ネタを。 歌野昌午氏と言えば、『葉桜の季節に君を想うということ』
で、僕の度肝を抜いてくれた作家さんです。 ある書店に伺うと、お勧めコーナーに
氏の作品が何冊か置いてありました。 その中から4冊一度に大人買い。(笑)
先日、全て読み終わったんだけど、一番面白かったのが、この作品です。
主人公の便利屋のところに、ある日「私を誘拐してください」と依頼する美人若妻が
現れます。 「主人の愛情を確認したい」という突拍子もない依頼に戸惑いながらも
引き受けるところから物語は始まります。 いわゆる「狂言誘拐」ですね。
綿密(と、主人公は思っていた。)な計画を練り、若妻と口裏を合わせ、偽装工作を
重ねて、ほぼ計画通りに事は進みます。 主人公の「してやったり」もありながら
計画を遂行し、若妻を匿ったマンションに戻ってみると、そこには若妻の死体が。
なんて感じで物語りは進行していきます。 なかなかの疾走感と、主人公のキャラで
一気に読了しました。 この主人公の破天荒なキャラ、『葉桜の-』の主人公に
通ずる物を感じます。 歌野氏は、こういうキャラを書くのが得意なんかもね。
読み終わった感想、「女の人って怖いんね。 それ以上に、男ってダメじゃな。」(笑)
ミステリー好きにはお勧めの一冊です。 気になる方は、是非どうぞ♪
今回購入した作品のうち、『ガラス張りの誘拐』、『世界の終わり、あるいは始まり』
の2作も誘拐ネタでした。 でも、切り口が違って、どちらもなかなか良かったですよ。
『ジェシカが駆け抜けた七年間について』は...こりゃ、ナシじゃ。 反則じゃな。(笑)
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