『帝都衛星軌道』 島田荘司
今日はミステリー界の重鎮 島田荘司氏の最新文庫、『帝都衛星軌道』のご紹介。
早速、ゲットしたんだけど、タイトルだけじゃ、内容は全く想像もできませんね。(笑)
「帝都衛星軌道(前編)」、「ジャングルの虫たち」、「帝都衛星軌道(後編)」といった
変則的な構成になっています。 ボリューム的には中編小説2部作といった感じです。
「帝都衛星軌道」の内容ですが、一言で言うと「誘拐物」です。 中3の息子が誘拐され、
犯人の指示通り、身代金を渡そうとした母親が警察の包囲網を見事に抜けてしまう。
その後、無事に息子は解放されるが、母親は「もう戻らない」という言葉を残して失踪
してしまいます。 合点のいかない父親が、妻を捜索しようとするのだが...
小説の中に張り巡らされた雰囲気は、まさに「島田ワールド」。 本格ミステリーという
言葉が古めかしいと言われる事もありますが、何となく昭和を感じさせる雰囲気が
あちらこちらに漂っています。 読んでると異空間にいるような錯覚を覚えますわ。
この、お堅いタイトルですが、読了後にやっと意味が把握できました。 ここだけの話、
この小説の一番の謎の答えが、このタイトルに隠されています。 そんな大胆さが
巨匠の巨匠たる所以なんでしょうね。 流石じゃわ。 気になる方は是非どうぞ!
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