『長い家の殺人』 歌野昌午
今日は歌野昌午著、『長い家の殺人』をご紹介します。 この本は氏の処女作で、
新装版として、再出版されたものです。
常日頃、本を読み漁ってる僕なんだけど、 面白い本に出逢いたいというのと同時に、
お気に入りの作家さんに出逢いたいって思いがあるんだよね。 東野圭吾さんの
ように強烈なインパクトを受けた訳じゃないんだけど、歌野昌午さんの文章は
何となく読みやすいんです。 文章にした時に、必要な部分と必要でない部分の
見極めが、僕の好みと合ってるんだと思います。 逆に、不要な文章をダラダラ
書かれると読みながら腹が立ってくるんだよね。 まあ、誰とは言わないけど。(笑)
脱線はこのくらいにしてっと。 この物語は、いわゆる本格ミステリーです。
卒業を控えた6人のバンドメンバーが、ラストライヴのための合宿を開きます。
その合宿先で、メンバーの一人が絞殺死体として発見されます。 その死体の
死亡推定時刻には、発見された部屋に死体がなかったのをメンバー全員が
確認しています。 犯人は何処に死体を隠し、どうしてそのような事をしたのか。
ってな感じで物語が始まります。 いかにも!ってストーリーは涙モンです。(笑)
処女作というのは文章のそこかしこに感じられるんだけど、初々しさがあって
逆に新鮮です。 ありとあらゆる伏線の張り巡らせ方も見事です。 実は、読んでる
途中でメインのトリックは分かっちゃいました。(笑) でも、それだけでは状況証拠に
しかならないのを、キッチリと裏付ける被害者の歌に隠された暗号が特筆モノでした。
やっぱり、歌野昌午さんはお気に入りの作家さんだと再認識しました。
氏の作品のコンプリーターになろっかな? 気になる方は是非どうぞ~♪
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